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現代社会法学科20周年記念 法学会主催 講演会


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 2022年11月18日(金)に法学会講演会が開催されました。今年度は、現代社会法学科開設20周年記念講演会として、愛知県弁護士会会長の蜂須賀太郎先生をお招きし、「司法を担う法律実務家の実像〜弁護士を中心として〜」との演題でご講演いただきました。蜂須賀先生は、判事補として東京地方裁判所や釧路裁判所で勤務された後、名古屋にて弁護士業務にあたられてきました。

 講演では、まず、日本国憲法の枠組みについて、憲法の基本原則である国民主権・基本的人権の擁護・平和主義を中心に、社会の変遷に伴う考え方の変化や現在の日本の状況などをわかりやすく説明いただきました。これらの内容を前提に、法曹三者の役割、特に弁護士の役割について詳しくお話いただきました。蜂須賀先生は、どのような弁護士像を描いたとしても果たすべき役割は同じであるとして、基本的人権を擁護し、社会正義を実現すること、特に社会的弱者とされる人の権利を護ることが、弁護士としての最大の責務であるとされます。そして、弁護士は、人権の最後の砦として、営利ではなく、人の悩みという公益に奉仕する専門職であるという自負のもと、依頼者の権利の実現と利益の最大化のためにひたすら尽くさなければならない、と強調されました。

 このような役割・使命のもとでの弁護士の具体的な活動の一端として、生活困窮者や高齢者・障がいのある人、様々なマイノリティに対する支援活動などをご紹介いただきました。また、弁護士の刑事弁護活動に対してしばしば向けられる問いとして、「なぜ被疑者や被告人を弁護するのか?」という点についても触れられました。蜂須賀先生は、学生に向けて「被疑者・被告人になったことを想像してみて欲しい」と投げかけられ、極めて厳しい状況にある人に寄り添って相談に乗ることができる法律の専門家は弁護士だけであり、まさしく社会的弱者であるそのような立場の人を護ることが弁護士の使命であると述べられました。

 講演の最後には、今回お話しいただいた弱者救済の必要性を踏まえ、「安心して弱者になれる社会」を築くことが望まれると指摘され、これからの日本を担う学生へのメッセージとして、弱者であることがいかに住みにくい世の中かをイメージし、そのような人たちが住み良い環境になるためにはどうしたら良いのかに思いを致し、「安心して弱者になれる社会をつくる」ということを心の片隅において、これからの人生を歩んで欲しいと語りかけられました。
 参加した学生からは、「弁護士が裁判以外にも弱者救済のためにさまざまな活動をしていることを知ることができた」、「弁護士は弱者救済が最大の使命であるという言葉が印象に残った」などの感想が聞かれました。